日々のいろんなことをあれこれ。
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…というわけで、勢いで書いた小ネタ行ってみよう!
別にネタバレはしてないのでご安心を。
(ていうかネタ的にライブ始まってすらない)
マリレニ武道館ライブ小ネタ?『コンセントレーション』
「…はぁ」
楽屋のドアを閉めたマリアは、緊張が混じった溜息をひとつだけついた。
本番までまだ30分以上ある。
今日の舞台は普段とは違う、一夜限りの三都市合同ライブだ。
女三人寄ればなんとやら、などと言うが、そんな諺の6倍以上の人数が揃っているのだ。
当然楽屋は文字通りの『姦しい』ものだった。
久しぶりに顔を合わせ和気藹々の雰囲気と、本番前の緊張感とが混ざり合った楽屋はどうにも落ち着かずに、仕度を終えたマリアは一度楽屋の外に出たのだった。
そうして、彼女の足はどこに向かうでもなく歩き回る。
まるで、誰かの姿を探すかのように。
(…レニ、どこに行ったのかしら?)
マリアよりも先に仕度を終え、楽屋を出たはずのレニの姿が見当たらない。
騒がしい雰囲気が苦手だというのは分かってはいたが、今日は一段と表情が暗かったのが気になっていたのだ。
彼女がいそうな場所をひとつずつ調べていた足が、ある場所で止まる。
舞台袖の、灯りも無い隅の床に垂れた黒い燕尾の裾を見つけ、マリアはそこに慌てて駆け寄った。
「…レニ?」
名前を呼ばれ、蹲っていた影がゆっくりと振り返った。
銀の前髪に隠れた蒼い瞳は、光を損ない影が差している。
「…マリア?」
「レニ、どうしたの?具合でも悪いの?」
「…分からない。どうしてだろう、心拍数がどんどん上昇して…落ち着こうとするんだけど、感情がコントロールできなくなっている。…緊張、しているのかな。いつもはこんなこと無いのに…」
普段はあまり口数が多くないレニが焦ったように饒舌になっている。
いつもと違う本番前の雰囲気に呑まれ、感情が乱されているようだった。
彼女を落ち着かせるように、マリアはレニの背中を撫でながら優しく言葉をかける。
「レニ、大丈夫…落ち着いて。深呼吸しましょう」
「うん、ボクは大丈夫、大丈夫、だいじょうぶ…」
しかし、マリアの言葉はレニの耳をすり抜けているようで、何度も『大丈夫』と単語を繰り返すだけだ。
それは、今のレニにとっては全く意味をなさない言葉だった。
このままでは埒が明かないと、マリアは回りに人影がないことを瞬時に確認してレニの手を握った。
「じゃあ…とっておきのおまじないをしてあげる」
「え?」
マリアの言葉の意図を掴めず、首を傾げて顔を上げた彼女の唇を、マリアのそれが塞いだ。
突然の出来事に、レニは驚いて目を見開く。
硬直した身体がマリアの腕に抱きしめられ、ゆっくりと解れていった。
冷たくなっていた唇が、体温を取り戻し温かくなっていく。
自分の作戦が上手くいったことを確信したマリアは、ようやく唇を離して目の前の彼女ににっこりと微笑んだ。
「どう?少しは落ち着いたかしら?」
そんなマリアとは対照的に、茹で上がったかのように顔を真っ赤に染めたレニは、恨めしそうにマリアを見上げる。
「……マリア。それじゃあ、逆効果だ」
おしまい。
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武道館ライブ、楽しかったー!
…ので、書き逃げ!!
勢いで書いたので後日訂正するかもしれない…。
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