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マリレニ?小ネタ「傷痕」
マリレニ小ネタっていうかレニしかいませんが。

まさかの病んでるレニ。 
…ヤンデレニ?(デレてない)

流血表現ちょいアリです。
そして痛い。
書いてて自分でうわぁ痛い痛いってなってたw


それでも大丈夫な方のみどうぞ。


傷痕


深夜、照明を落とした自室の中で、レニは鏡の前にひとり立ち尽くしていた。
パジャマも下着も脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿の彼女を月の静かな光が照らす。

青白く照らされる彼女の肌には、いくつもの傷があった。

過去、実験台として刻まれた手術痕。
麻酔と投薬の針の痕。
戦いの中で負った怪我の痕。

その傷をひとつひとつ確かめるよう、レニは身体に指を這わせていく。
覚えのある傷。覚えのない傷。
月日が経つにつれ、痕はだいぶ薄れてきている。
それに比例するかのように、痛みの記憶も少しずつ薄れてきている気がした。

痕のほとんどが薄くなっていたが、その中にひとつだけ生々しい傷があった。
臍の下にある、横一文字にひきつったような、まだ真新しい傷痕。

つい先日の戦いで出撃した際、マリアを庇って出来た深い傷だ。
ようやく塞がったばかりの瑕疵は熱を持って赤く腫れ上がり、未だにレニに鈍い痛みを伝えている。
レニはその傷を愛おしそうに指先でなぞった。

この傷を見るたび、マリアは悲しい顔をする。
懸命に手当てをしてくれる度に自責の念に駆られ、涙するマリアに何度も謝罪の言葉を掛けられた。
でも、欲しいのはそんな言葉なんかじゃない。

傷に触れているだけだったレニの指先に、ふいに力が込められる。
決して長くは無い整った爪の先が、少しずつ肌に食い込んでいった。
やがて圧力に耐え切れなくなった傷口がぷつりと開き、鮮血が滲み出る。
青白い肌の上を紅い血が筋を作って流れる様を、レニは無表情で眺めていた。

いっそ、彼女を庇い、彼女の目の前で命を散らしたかった。
そうすれば、マリアは深い絶望の中で、自分だけを思ってくれるかもしれない。
でも、それでは駄目だ。
轍を踏むようなことでは、マリアが自分だけを見てくれるようなことはない。
誰かと同じ扱いになってしまうのなんて、絶対に嫌だ。
だから、これでよかったのかもしれない。


この傷が自分の身体にある限り、マリアは罪悪感に駆られるのだろう。

――この傷がある限り、マリアの中はボクでいっぱいになるだろう。


この傷も、痛みも、マリアも、自分だけものものだ。
姿見に映る傷痕を見つめるレニの口元には、うっとりと恍惚の表情すら浮かんでいた。

 

END

 

どうにも病んでる。

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